大切な人達と再び出会う物語「はじまりのにいな(水森暦)」

前世の記憶を持ったまま生まれた青八木新菜が、前世で関係があった人に再び出会い新しい関係を築いていきます。
今の自分はあくまで青八木新菜であって、天宮千歳ではない。
前世で関係があった人たちでも青八木新菜として接するしかない、青八木新菜として出来ることしかできない。
そんな、もどかしさと少しの寂しさがよぎります。

だけど、過去に関係のあった大切な人たちが幸せであって欲しいという想いが伝わってきます。
それに、今の青八木新菜という自分も大事にしているように感じます。

生まれ変って最初に出会ったのは前世で好きだった人、そして青八木新菜としても好きになった人、伊丹篤郎。
新菜の前世、天宮千歳を失ったことでできた心の大きな穴を埋められないまま生きています。
でも、青八木新菜としてずっとそばにいて彼を見守っています。
一緒にいることが多くなるにつれ口に出しては言わないけど伊丹篤郎は青八木新菜が天宮千歳の生まれ変わりだということに気づきます。
そして、年の差を超えて交際することになります。
その後この2人の絆でこれからのことを乗り越えていくことの支えになっていったように見えました。

青八木新菜が通う学校に産休の先生の代わりに来た先生が天宮千歳の弟の天宮千春。
前世での自分の弟で、前世の自分が死んでから16年、成長した弟の姿だった。
前世での弟に再び出会ったことで前世での家族にも会うことになる。
伊丹篤郎と一緒にいる時でさえ自分の前世が天宮千歳であることを自分から話そうとは思っていなかったようなのに思わず言ってしまいそうになったのをみて、青八木新菜では失ったものを埋めることはできない、励ますこともできない、何もできないことを自覚します。
だから、人から聞いた話として天宮千歳の話をすること。

若妻ヤリ友事情 チンジャオ娘。
そうして、あくまで青八木新菜として接することにした彼女の強さに感動しました。
過去の自分と出会い前に進んでいこうする少女の物語です。

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