クロネコ彼氏の愛し方(左京亜也)は、苦しいけど愛しい

人口に僅かな確率で存在している、ネコに変身できるネコ科人間。ネコ科人間でイエネコ(クロネコ)の真悟と、彼の恋人で同じくネコ科(ヒョウ)の賀神(イケメン俳優)のお話です。
すでに恋人としてラブラブで、同棲までしてしまっている二人ですが、賀神の兄の登場でこじれてしまいます。
もともと捨て猫で家族を持たない慎吾は、賀神が実の兄を毛嫌いし、自分のことでケンカをしているのを見て居たたまれなくなってしまいます。しかも、賀神に「慎吾と家族になりたいわけじゃない」と言われてしまって。

この時の慎吾の苦しい表情とか、言葉とか、慎吾の今までを知っている読者からすれば非常に辛いです。でもそのあと、クライマックスで賀神が言葉の真意を伝えると、もう慎吾は号泣です。

 

男女問わず、こんなふうに愛されたら死ぬほどしあわせだろうと思う作品です。

HELLSING(平野耕太)の虜になる

平野耕太(愛称ヒラコー)の描くキャラクターたちは、シリアスとコミカルが絶妙に表現されている。ヘルシングのゴミ処理係である吸血鬼アーカード、元婦警の女吸血鬼セラス、ヘルシング機関局長インテグラ、執事のウォルター、ベルナドット隊長、イスカリオテのアンデルセン、戦争大好き少佐、その部下たちも個性抜群。「印象に残っているキャラクターは?」と聞かれれば、全員と言っても過言ではない。それだけ魅力がある作品なのだ。

それらの魅力は「平野節」の独特な言い回しによる台詞によって引き立つ。本当に名言だらけである。恐らく、各メインキャラに1つは名言がある。有名なのはウォルターの「小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命乞いをする心の準備はOK?」や、少佐の「諸君 私は戦争が好きだ」あたり。最初から最後まで、台詞回しが本当に格好良い。話の展開も相まって、少佐の大演説にはかなり興奮する。

あと、眼鏡キャラが大好きな方には一度読んで欲しい。キャラクターの殆どが眼鏡をかけている。好きな眼鏡が見付かるかもしれない。

連載が終わった今なお、その面白さを忘れることが出来ない。HELLSINGは、何とも心をくすぐる漫画なのである。

何度も泣ける漫画、弱虫ペダル(渡辺航)

高校の自転車競技を題材にしたマンガ『弱虫ペダル』自転車競技に全く興味がなかった私ですが、この漫画を読んで、こんなにも熱く過酷で真剣なスポーツがあったのだと胸を打たれました。主人公の小野田以外のキャラクターも個性があって、各パートごとの対決は毎回涙が出ます。中でも最初のインターハイ、3年生クライマー対決が胸にぐっときました。山登りのステージで、長年のライバルと決着をつけるために直接対決を挑む尽八。それ対して前に出れない巻島。「なんで(山登りのサブを)用意してしてないんだ!」と叫びながら一人飛び出していく尽八と、個人の勝負を捨ててチームに残った巻島の姿が切なかったです。それがあったからこそ、不可能と思われたライバル対決が実現した時の感動は大きいものでした。本当に、皆頑張れと応援したくなる、こんなにも熱くなれる漫画に出会えて嬉しいです。

画集のような美しさ 空挺懐古都市(石据カチル)を見て欲しい

まず、目を見張る カラー表紙に注目して欲しい。B5版なので、普通のコミックよりも大きいサイズで暫く眺めていられます。中にもハッとさせられる箇所があるので、ぜひコミックをオススメしたいです。

海面の上昇により、人々は空に都市をつくり、都市での生活を始めているという近未来SFです。
空挺都市では、メランコリアという病が蔓延している。空挺都市で生活したり仕事をしている人にとっては常識であるが、地上で生活する人には知らされていない話でもある。
メランコリアとは、日を跨ぐたび、もっとも依存する相手を忘れてしまう病。を軸に物語が進んでいきます。主人公トキが空挺都市で出会った仲良し3人組、七雄・夏樹・牡丹。しかし、七雄がメランコリアを発症し変わってしまう3人の関係。相手を少しずつ忘れていく恐怖 そして忘れられてしまう恐怖と悲しみ。それだけでなく自分を『好き』といってくれた七雄が忘れたのは、自分ではなく、親友の夏樹だった牡丹の複雑な気持ち。忘れる相手は家族であったり、彼女であったり、親友であったり その人が依存する相手のため、様々です。また一度発症すると他の人を忘れる事はないとされています。
好きな人に一番好かれている証明として、自分が忘れられてしまう。そんな心境が書かれています。
化石燃料を燃やすことにより、都市を浮かせています。化石燃料とは何なのか?主人公が出合うユナという少女は自分を浮かせる謎の力を持っており…軟禁に近い生活を送っていたり…
現在 3巻まででていて、まだまだ謎が多いこの漫画 イラストだけでなくストーリも、面白いので、ぜひ見て欲しいです!

笑わずにはいられない!『月刊少女野崎くん』

今回ご紹介するのは、『月刊少女野崎くん』です。

この作品は、珍しくも全て四コマでのストーリー構成です。
物語の中心となるのは、月刊少女雑誌で連載をもつ、男子高校生で少女漫画家の野崎くんと、その野崎くんに恋したことがきっかけで何故かアシスタントとなった佐倉千代。
その二人の友人である恥ずかしがり屋なみこりん、女子なのに天然王子様で演劇部のエースの鹿島くん、声楽部のローレライという異名をもちながら野蛮な性格の瀬尾、演劇部の部長で鹿島くんにはバイオレンスな堀先輩など個性的な仲間との日常をコメディタッチで描きます。

この漫画で好きなのは、何といっても個性的なキャラクターたちによる軽快なギャグ。
ストーリーには野崎くんと佐倉との「恋愛要素」も出てきますが、ほとんどギャグに帰結します(笑)。
椿いづみ先生の作品は、この作品に限らずギャグをたくさん盛り込んでいるのが特徴ですが、この作品はギャグ要素のみで成り立っています。
読んでいると思わぬところで笑いがくるので、電車の中で読む時には吹き出してもいい様に周囲の状況を確かめてから読むことをお勧めします(笑)

また、少女漫画をメインで描いていらっしゃる先生なので、絵が少女漫画風で女性向けではありますが、ギャグの内容は男性でも楽しめる内容です。

私は何も考えず笑いたい時に定期的に読み返しています。
笑ってストレス発散したい、ギャグ漫画が好き!という方に是非オススメしたい作品です。

37.5℃の涙(椎名チカ)…子育てへの勇気がもらえる漫画!

今回おすすめするのは、2015年夏からドラマ化もしている『37.5℃の涙』です。

この物語の主人公は、病児保育士の杉崎桃子。
彼女が病児保育で関わっていくのは、37.5℃以上の熱を出し、保育園を休まなければならない子供たち。
部屋の掃除もままならず、子供に十分な時間をかけられないお母さん、離婚したばかりのシングルファザー。
子供の目線では、不安な病気の際に親と居られないさみしさなどが描かれ、一見子供へ酷い仕打ちをしているような「問題家庭」のように描かれますが、
家庭に向き合うにつれて、子供との生活の為に仕事やそれぞれの立場に奮闘するお母さんやお父さんの姿が浮き彫りになってきます。
この物語は病児保育士の桃子の視点から描かれてはいますが、物語の主人公は育児に奮闘するお母さんやお父さん、そして子供だと思います。

この物語の面白さは、子供の「さみしさ」が描かれている反面、その「親」の葛藤が描かれていることです。
「理想的にはこうするのがいいことは分かっている、でもできない」「子供に申し訳ない」「親失格」という葛藤が、自分だけではないんだととても勇気づけられる作品です。
子供についての物語は、子供の立場を中心に描きその同情から涙を誘うものが多いですが、このような日常の親の葛藤を中心に描いたものは珍しいな、と思います。
作者の方が子育てをされているからか、このような葛藤もリアルに描かれています。
仕事と育児の両立、一人で子育てに悩んでいる方に是非読んでほしい一冊です。

大切な人達と再び出会う物語「はじまりのにいな(水森暦)」

前世の記憶を持ったまま生まれた青八木新菜が、前世で関係があった人に再び出会い新しい関係を築いていきます。
今の自分はあくまで青八木新菜であって、天宮千歳ではない。
前世で関係があった人たちでも青八木新菜として接するしかない、青八木新菜として出来ることしかできない。
そんな、もどかしさと少しの寂しさがよぎります。

だけど、過去に関係のあった大切な人たちが幸せであって欲しいという想いが伝わってきます。
それに、今の青八木新菜という自分も大事にしているように感じます。

生まれ変って最初に出会ったのは前世で好きだった人、そして青八木新菜としても好きになった人、伊丹篤郎。
新菜の前世、天宮千歳を失ったことでできた心の大きな穴を埋められないまま生きています。
でも、青八木新菜としてずっとそばにいて彼を見守っています。
一緒にいることが多くなるにつれ口に出しては言わないけど伊丹篤郎は青八木新菜が天宮千歳の生まれ変わりだということに気づきます。
そして、年の差を超えて交際することになります。
その後この2人の絆でこれからのことを乗り越えていくことの支えになっていったように見えました。

青八木新菜が通う学校に産休の先生の代わりに来た先生が天宮千歳の弟の天宮千春。
前世での自分の弟で、前世の自分が死んでから16年、成長した弟の姿だった。
前世での弟に再び出会ったことで前世での家族にも会うことになる。
伊丹篤郎と一緒にいる時でさえ自分の前世が天宮千歳であることを自分から話そうとは思っていなかったようなのに思わず言ってしまいそうになったのをみて、青八木新菜では失ったものを埋めることはできない、励ますこともできない、何もできないことを自覚します。
だから、人から聞いた話として天宮千歳の話をすること。

若妻ヤリ友事情 チンジャオ娘。
そうして、あくまで青八木新菜として接することにした彼女の強さに感動しました。
過去の自分と出会い前に進んでいこうする少女の物語です。

「戦争と一人の女」(近藤よう子)の心地よいトラウマ

近藤よう子さんの漫画は、とても読み応えのある素晴らしい作品ばかりだと思います。昔話・中世の説経・物語からヒントを得たもの、また現代の物語など多岐に渡りますが、どれも造詣が深く、読んでいて心に響く作品が多いように思います。主人公に深く感情移入し、心の底から静かに揺り動かされるように感じます。うまく言葉では表現できない女性の繊細な感情が、近藤よう子さんの漫画の中では視覚化されるような。背景が少なく整然とした絵の描写を見ていると、行間を読むとか、アイコンタクトなどのような、相手に何かを感じさせる。そんな雰囲気を持ったストーリーが多いように思います。

近藤よう子さんの作品はどれもオススメですが、なかでも「戦争と一人の女」は圧巻だと思います。坂口安吾さん原作の小説「戦争と一人の女」に近藤よう子さんの絵がとてもしっくり合っているように思います。
戦争中の男と女の刹那的な同棲生活を描いた作品ですが、得体の知れない不安感、お互い判りえない男と女の違いを作品の中で見せつけられたような感じです。小説だけでは伝わりにくい、女の感情の深いところまでをさらけ出しているように描かれています。また戦争に対しての男目線・女目線の微妙な違いも判るような気がします。
絵は背景が少なく、さらりとした線で描かれていますが、登場人物の内面のドロドロしたモノや、女のときに突き抜けた風な感情も伝わってくるようです。読後はずっと記憶の片隅に残り、心地よいトラウマになっています。

ドラクエ好きなら特に必見ダイの大冒険?ドラクエ外伝風

少年ジャンプで連載されていた「ダイの大冒険」はドラクエをどれか一つでもプレイしてる人にとっては呪文や武器や世界観見て、親近感を抱くはずです。

しかし基本はドラクエに忠実だけど必殺技はドラクエとは別次元のものばかりです。

アバンストラッシュや極限魔法メドローアやブラッディスプライド、ヒートナックルなどネーミングがイケてるのもこの漫画の魅力です。

とにかく泣けるドラクエとして有名です。アバンがダイ達を守るためハドラーにメガンテを唱えるシーンは初期の泣けるエピソードです。

またヒュンケルがHP0なのにたった一人で闘気だけでオリハルコンの戦士をミラクルにも打ち砕くシーンはミラクルなほど感動します。

ハドラーがポップを励まし、最後の最後で友情に熱く芽生えるシーンは必見です。

バーンやミストバーン、ロンベルクと魔界の人種は謎が多いです。女子大生と教授のありがちな チンジャオ娘。

ダイはドラゴンの騎士バランの息子だけに親子愛あり共闘ありこういう親子愛もあるんだと感心します。竜魔神と化した親子は最強だと思います。

主人公や仲間の誰かが死ぬこともあります。しかし、無駄死にではなく意味のある死であることが深く描かれています。

キャラ達一人一人がなんて魅力的なんでしょう!そしてメインキャラは皆向上心が旺盛でどんどん成長していく姿が見ていてテンション上がります。

ミラクルって起こるんだなあとこの漫画を読んでたら思えます。私達も頑張れば誰かが助けてくれてミラクルは起こるそんな漫画かと思えます。