枢やな「黒執事」の魅力 どこかのネタバレ

枢やなによる「黒執事」は、色んな方面に魅力のある作品です。
まず、キャラクターの個性。生意気で、でも脆くて、危なっかしい所のある美少年、シエル。
その執事として仕えるセバスチャンは、容姿から仕事まで完璧。実は人ではなく悪魔。
使用人達もそれぞれの過去があり、個性豊かな人たちです。

シエルとセバスチャンの掛け合いが面白いというのもありますが、
両親を亡くし、伯爵といえどもまだまだ子供なシエルが、
口では文句を言いつつもセバスチャンや使用人たちを信頼し、
関係を築いていく様子は時に感動を誘います。

そして、舞台は19世紀のイギリス。
服装や文化などが丁寧に表現されていて、大変魅力的です。
インド人とカリー対決をしたシーンなど、読んでいて本格的なカリーを食べたくなりました。
イースターの時も表現が魅力的ですから、どういった文化だったのかをもっと知りたくなります。

後は何より、ストーリーの伏線が上手い!
まだ明らかにされていませんが、恐らくこうなんだろうな…
と思える核心の部分。
本当に少しずつ、あまり違和感のないように描かれていて、引き込まれていってしまいます。

なかなか無いタイプの作品だと思います。

PS.保護者失格。一線を越えた夜 | ネタバレ感想情報局 も参考にどうぞ。

 

中学時代に夢中になった『ぼくの地球を守って』(日渡 早紀)

通称:ぼく地球(ぼくたま)。

花とゆめコミックスでは全21巻、

白泉社文庫では全12巻で単行本化され、

2004年5月からジェッツコミックスで愛蔵版 全10巻が発刊され長い期間愛され続けた作品です。

 

『ぼくの地球を守って』ブームにより、前世の仲間探しが起こり、オカルト系雑誌に、前世の仲間探しの情報を求む投稿が寄せられ掲載されました。

世間に輪廻転生はあるかもしれないと信じてやまない人たちも現れ、中には、『ぼくの地球を守って』の世界は、自分の前世の世界であると作者である日渡早紀先生に手紙を出した者まで現れました。

 

それをうけ、日渡先生は「ぼく地球の世界は100%日渡の頭に中で作られたフィクションです」と主張されました。

マンガが与える影響力ってすごいですね。
さて、ストーリーですが、

舞台は1991年東京。転入してきた主人公である坂口 亜梨子は、クラスメイトの小椋 迅八とその親友の錦織 一成が交わす妖しい雰囲気をかもし出し、意味深に交わされる会話を立ち聞きしたのをきっかけに、2人が夢を共有し、

その「ムーン・ドリーム」(月での夢)の話を聞くことになります。

夢の中ではそれぞれが全くの別人で、迅八は玉蘭という男性、一成は槐という女性で、

他の5人の仲間(木蓮、紫苑、繻子蘭、柊、秋海棠)と共に、月にある『月基地』からKK(地球)を見守って、言語や文化などを調べて暮らしているという。その話を聞くことをきっかけに、 亜梨子は紫苑と木蓮が『月基地」から地球を見守っているシーンの前世の夢「ムーン・ドリーム」を見ます。

 

『自分は木蓮さんかもしれない』と思う、

亜梨子は、同じマンションの隣に住む、

小林 輪を預かった折に、誤って彼をベランダから転落させてしまいます。

 

輪は奇跡的に軽傷で済んだが、それをキッカケに月基地での記憶とESP―“サーチェス・パワー”に覚醒し、

夢の中で自分が紫苑である「ムーン・ドリーム」見ることになります。

迅八、一成、亜梨子は同い年の高校生なのに、紫苑である輪はなぜ7歳の少年なのか?他の3人(繻子蘭、柊、秋海棠)は見つかるのか?単行本で読んでいたので、毎回、発売日が楽しみでしょうがなかったです。

笑わずにはいられない!『月刊少女野崎くん』

今回ご紹介するのは、『月刊少女野崎くん』です。

この作品は、珍しくも全て四コマでのストーリー構成です。
物語の中心となるのは、月刊少女雑誌で連載をもつ、男子高校生で少女漫画家の野崎くんと、その野崎くんに恋したことがきっかけで何故かアシスタントとなった佐倉千代。
その二人の友人である恥ずかしがり屋なみこりん、女子なのに天然王子様で演劇部のエースの鹿島くん、声楽部のローレライという異名をもちながら野蛮な性格の瀬尾、演劇部の部長で鹿島くんにはバイオレンスな堀先輩など個性的な仲間との日常をコメディタッチで描きます。

この漫画で好きなのは、何といっても個性的なキャラクターたちによる軽快なギャグ。
ストーリーには野崎くんと佐倉との「恋愛要素」も出てきますが、ほとんどギャグに帰結します(笑)。
椿いづみ先生の作品は、この作品に限らずギャグをたくさん盛り込んでいるのが特徴ですが、この作品はギャグ要素のみで成り立っています。
読んでいると思わぬところで笑いがくるので、電車の中で読む時には吹き出してもいい様に周囲の状況を確かめてから読むことをお勧めします(笑)

また、少女漫画をメインで描いていらっしゃる先生なので、絵が少女漫画風で女性向けではありますが、ギャグの内容は男性でも楽しめる内容です。

私は何も考えず笑いたい時に定期的に読み返しています。
笑ってストレス発散したい、ギャグ漫画が好き!という方に是非オススメしたい作品です。

37.5℃の涙(椎名チカ)…子育てへの勇気がもらえる漫画!

今回おすすめするのは、2015年夏からドラマ化もしている『37.5℃の涙』です。

この物語の主人公は、病児保育士の杉崎桃子。
彼女が病児保育で関わっていくのは、37.5℃以上の熱を出し、保育園を休まなければならない子供たち。
部屋の掃除もままならず、子供に十分な時間をかけられないお母さん、離婚したばかりのシングルファザー。
子供の目線では、不安な病気の際に親と居られないさみしさなどが描かれ、一見子供へ酷い仕打ちをしているような「問題家庭」のように描かれますが、
家庭に向き合うにつれて、子供との生活の為に仕事やそれぞれの立場に奮闘するお母さんやお父さんの姿が浮き彫りになってきます。
この物語は病児保育士の桃子の視点から描かれてはいますが、物語の主人公は育児に奮闘するお母さんやお父さん、そして子供だと思います。

この物語の面白さは、子供の「さみしさ」が描かれている反面、その「親」の葛藤が描かれていることです。
「理想的にはこうするのがいいことは分かっている、でもできない」「子供に申し訳ない」「親失格」という葛藤が、自分だけではないんだととても勇気づけられる作品です。
子供についての物語は、子供の立場を中心に描きその同情から涙を誘うものが多いですが、このような日常の親の葛藤を中心に描いたものは珍しいな、と思います。
作者の方が子育てをされているからか、このような葛藤もリアルに描かれています。
仕事と育児の両立、一人で子育てに悩んでいる方に是非読んでほしい一冊です。