小学生でありながら妊娠してしまうコドモのコドモ

コドモのコドモは、小学生でありながら妊娠してしまうというテーマに基づきストーリーが進行していく漫画です。
小学生が妊娠するというショッキングとも言える題材なため、賛否両論の感想があるというのも理解した上で作品を楽しみました。
しかし、感想などから考えていた様子とは裏腹に話題性のみで人気が高まっている漫画ではないということがわかりました。
作中に登場する田舎の風景は美しさとともに懐かしさも感じますし、そういった風景の中で過ごしている子どもたちの様子にも好感を覚えました。
そして、小学生が妊娠してしまうものの誰一人として大人に相談することなく子どもたちだけで解決しようと決意するという点にも団結力の強さを感じました。
内容が特殊と言っても過言ではないため、見る人により様々な捉え方があるとは思いますが漫画が好きな方であれば問題なく受け入れられると思います。
さらに、最終的には子どもたちだけで出産させるというのも漫画ならではの描写でしょう。

画集のような美しさ 空挺懐古都市(石据カチル)を見て欲しい

まず、目を見張る カラー表紙に注目して欲しい。B5版なので、普通のコミックよりも大きいサイズで暫く眺めていられます。中にもハッとさせられる箇所があるので、ぜひコミックをオススメしたいです。

海面の上昇により、人々は空に都市をつくり、都市での生活を始めているという近未来SFです。
空挺都市では、メランコリアという病が蔓延している。空挺都市で生活したり仕事をしている人にとっては常識であるが、地上で生活する人には知らされていない話でもある。
メランコリアとは、日を跨ぐたび、もっとも依存する相手を忘れてしまう病。を軸に物語が進んでいきます。主人公トキが空挺都市で出会った仲良し3人組、七雄・夏樹・牡丹。しかし、七雄がメランコリアを発症し変わってしまう3人の関係。相手を少しずつ忘れていく恐怖 そして忘れられてしまう恐怖と悲しみ。それだけでなく自分を『好き』といってくれた七雄が忘れたのは、自分ではなく、親友の夏樹だった牡丹の複雑な気持ち。忘れる相手は家族であったり、彼女であったり、親友であったり その人が依存する相手のため、様々です。また一度発症すると他の人を忘れる事はないとされています。
好きな人に一番好かれている証明として、自分が忘れられてしまう。そんな心境が書かれています。
化石燃料を燃やすことにより、都市を浮かせています。化石燃料とは何なのか?主人公が出合うユナという少女は自分を浮かせる謎の力を持っており…軟禁に近い生活を送っていたり…
現在 3巻まででていて、まだまだ謎が多いこの漫画 イラストだけでなくストーリも、面白いので、ぜひ見て欲しいです!

「戦争と一人の女」(近藤よう子)の心地よいトラウマ

近藤よう子さんの漫画は、とても読み応えのある素晴らしい作品ばかりだと思います。昔話・中世の説経・物語からヒントを得たもの、また現代の物語など多岐に渡りますが、どれも造詣が深く、読んでいて心に響く作品が多いように思います。主人公に深く感情移入し、心の底から静かに揺り動かされるように感じます。うまく言葉では表現できない女性の繊細な感情が、近藤よう子さんの漫画の中では視覚化されるような。背景が少なく整然とした絵の描写を見ていると、行間を読むとか、アイコンタクトなどのような、相手に何かを感じさせる。そんな雰囲気を持ったストーリーが多いように思います。

近藤よう子さんの作品はどれもオススメですが、なかでも「戦争と一人の女」は圧巻だと思います。坂口安吾さん原作の小説「戦争と一人の女」に近藤よう子さんの絵がとてもしっくり合っているように思います。
戦争中の男と女の刹那的な同棲生活を描いた作品ですが、得体の知れない不安感、お互い判りえない男と女の違いを作品の中で見せつけられたような感じです。小説だけでは伝わりにくい、女の感情の深いところまでをさらけ出しているように描かれています。また戦争に対しての男目線・女目線の微妙な違いも判るような気がします。
絵は背景が少なく、さらりとした線で描かれていますが、登場人物の内面のドロドロしたモノや、女のときに突き抜けた風な感情も伝わってくるようです。読後はずっと記憶の片隅に残り、心地よいトラウマになっています。